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追想五断章

米澤穂信著『追想五断章』読了
なかなかよく練られたプロットに基づく質のいいミステリー。全体に流れる暗さがなんとも怪しさをだしている。
主人公は古本屋のアルバイト店員。たまたま亡くなった方のお宅から本を仕入れた後、その家にあるはずだという雑誌を探して女がやってくる。父が書いた短編小説が5編あるはずなので、探してほしいと依頼されてそれを探すこととなるが、実は母親が自殺しており、その動機のなぞを5編の短編小説に練り込んであって、それを解いていくというお話。(簡単に書くと)
話の解釈を変えると、二通りの解釈が生まれ、実は自殺ではなく他殺だったのではとなる。なかなかよく計算された内容だ。丹念に読まないとちょっと置いていかれることになるので、じっくり読むことをお勧めする。

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