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ピコラエヴィッチ紙幣―日本人が発行したルーブル札の謎

熊谷 敬太郎著『ピコラエヴィッチ紙幣―日本人が発行したルーブル札の謎』読了
日露戦争のあとのシベリアを舞台に実際にあった尼港事件を題材としたフィクション。第2回城山三郎経済小説大賞
日本の島田商会が発行した小切手のようなものが題名となっているピコラエヴィッチ紙幣らしい。地名はニコラエヴィッチだったが、ロシア語の文字を間違えたためニがピになってしまった。
この紙幣が流通していた北シベリアのアムール川河口の街で起きた尼港事件で当時の日本人は750名ほどいたらしいが、過激派赤軍(パルチザン)の攻撃を受けて全滅したらしい。その前後を小説化したものだ。
そこで生きていた人たちを生き生きと描いている。永久凍土の上にある街で、冬期は完全に川も氷結してしまい、交通が遮断されてしまう。そのなかで生きた人たち、特に島田商会の支配人を生き生きと描いている。
著者はこの作品が処女作とのこと。遅咲きの新人。今後に期待したい。

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