新世界
柳広司『新世界』読了
第二次大戦末期のアメリカ。ロスアラモス研究所を舞台としたミステリー。
ミステリー仕立てにして、原爆の製造やその使用に対して問題を提起しようとした作品か。そこまで重いテーマではないが。
あの頃のアメリカはドイツが原爆を作るのではないかということを恐れて、それよりも先に原爆を作ろうとしていた。実際にどのくらいの威力があるかもわからずに作り、試作での実験で想像以上の威力があることがわかったが、最終的に広島、長崎に使用してしまうこととなる。原爆を使った方が最終的には双方の被害を少なくできるという結論だったからだ。結果論としては、多くの直接的な死者だけでなく、長く後遺症を発症させる放射線被害を多く出したことから、都市部での使用はどうだったのか。威力を見せつけるだけであれば、もっと被害が少ないが威力を見せつけるだけの方法はあったのではないかと思う。あくまで結果論だが。
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