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日本のITコストはなぜ高いのか?

『日本のITコストはなぜ高いのか?』読了
たまたまこの著者の会社と付き合いがあったので手に取った。
どうなんだろう。意見としてはある程度正しいけど。
根本的に間違っているところもある。サービスは無料であるべきという言い方。サービス=無料という意味ではない。例えば専用線などの回線サービスのサービスは”役務”と訳される。決してサービス=無料ではない。それは日本での間違った解釈だ。
ある品質の行為をうけることがサービスであり、当然無償のものもあれば有償でなければ提供できないものもある。
そもそもインターネット上で提供されるサービスが無償であることからおかしくなる。実際には広告というもので利益を得ているから、サービスを提供できているだけであって、かかる費用をもらわなくてもいいサービスはボランティアである。そういったことをごっちゃに考えて、ITサービス(この場合にはシステム保守などを指す)が高いという。確かに意味もなく保守料を取っているものもある。ミドルウェアでは保守料という名で使用料を払っているものもある。基本的に保守料を払っていないと、何かのトラブルの際に対応してもらえない。質問にも答えてもらえない。それが製品の不具合であっても。ここから、一般的なケースを異なってくるのだが、製品の不具合かそうでないかは製造しているところしかわからない。不具合であってもそういう仕様だと言われることはよくある。しかし、実際には使用していて困るケースがある。そのときには保守してもらっているということで修正の依頼も出来る。
製造会社としては、その保守料で持って、継続して維持メンテナンスが出来ている。枯れた技術であれば、保守など必要ないだろう。そういったシステムを使えばいいのだ。
とまあ、ITコストが高いか安いかは使い方次第だ。少しの時間、止まってもいいシステムなら、保守はそれほど必要ないだろう。でも、止まってはいけないシステムにはそれなりのコストがかかるのは当たり前だ。コストを下げたいのはみんなの願いだろうが、そうであるなら作る時から止まらない設計をするべきだ。
そういうことがわかっていない人が作るから、よけいにお金のかかるシステムになってしまう。もっと、勉強するべきかな。
で、この本だけど、読んでもためにならないだろうね。

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