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太陽の簒奪者

野尻 抱介著『太陽の簒奪者』読了
たまたまブックオフの105円コーナーにあったので手に取った。前から気になっていたのだが、すばらしいハードSF。
簒奪などという難しい言葉を題にしてしまうのもすごい。簒奪=奪い取るのけっこう激しい行為だと思うけど、太陽を奪い取るという発想もすごい。それが、宇宙人とのファーストコンタクトにつながるのもすごい。
そもそも宇宙人に対して、人類と同じように言葉、言語でコミュニケーションを取るもの思い込んでいる我々がいる。そのためにSETIなどの宇宙からの電波を解析してほかの星の生物の情報を見つけようとしているのだが、未だその作業は成功していない。著者はそもそも言葉によってコミュニケーションを取らない生物がいるというところから始まって、その異星人とどうやってコンタクトをするかということを描いている。
この小説のもう一ついいところは白石亜紀という宇宙飛行士を中心に物語を進めていることだ。この主人公も魅力的だ。
こんな形で、もしいま宇宙人の気配が伝わったらどうするのだろう。小説では水星に異星人の装置が作られていき、太陽のエネルギーが地球に届かなくなるのだが、未だ人類は月以外の天体にいったこともない。火星に人を送り込む計画をしているが、この世界不況でまた先延ばしだろう。もっとも実際に人を送り込まなければならない理由もない。ロボットの性能もあがっているので、ある程度の観測なら無人で出来るだろう。人を送り込むのなら、確実に帰ってくることが出来なければ、単なる冒険になっちゃう。または神風特攻隊みたいになっちゃうよな。
自分が生きている間に、火星とかに人が立つのだろうか。そのとき何か変わるのだろうか。

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野尻 抱介

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