バビロニア・ウェーブ
堀 晃著『バビロニア・ウェーブ』読了
どこかの新聞の書評ででていたので、購入して読んだ。日本人の本格SFとしてはよく出来ている。
初版は1988年なので、すでに20年前のこと。20年経っていても、色あせないということは、それだけ先を読んでいたのか、科学的知識がしっかりしていたのか、その後の天文学的な進歩がそれほどなかったのか。
日本人のSFとしては小松左京の『さよならジュピター』を思い浮かべるが、さよならジュピターは1980年の著作で、せいぜい太陽系内のしかも惑星軌道程度だったものが、本作では太陽系を3光日もいったところにある光束を舞台に話が進まれる。
そもそもそんなところになぜ、そんなものがあるのか。この光束に45度で反射板を入れれば、光エネルギーとして無尽蔵とも言えるエネルギーを取り出すことが出来る。そもそもそんな発想はどこから出てくるのか。
しかもそこまで宇宙船で行くのにレーザ加速する宇宙帆船のようなものまで考えている。未だ実現していないが、光エネルギーによる宇宙船の加速って可能なんだろうか。
謎は深まるばかりだし、SFなんで終わりがしっかりある訳でもないのだが、しっかりとしたSFでおもしろい。初版が出た当時に読まなかったことが悔やまれる。その頃何していたんだろう。
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