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陪審法廷

楡 周平著『陪審法廷』読了
期せずして『陪審』ものが続いてしまった。
楡さんの裁判物は珍しい。
簡単に言ってしまうと中学を卒業する男の子が隣の家の主人を銃で撃ち殺してしまった殺人事件の裁判の話だ。陪審制を取っているアメリカだからあり得る非常に困った、めんどくさい裁判になった。
そもそもの殺人の動機はこの主人が養子にした娘を性的虐待していることを男の子が知ってしまったからだ。女の子と男の子は同級生で幼なじみ。義憤に駆られて殺人を犯してしまうのだが、殺人の事実については間違いのないところだ。殺人について有罪となると、終身刑もしくは25年以上の服役になるらしい。無罪になったら、検察側は上告できない。アメリカと日本はいろいろと違うんだね。
日本であれば、まちがいなく有罪となるだろう。でも、未成年ということで少年法が適用されるので、懲役にもならない。名前も報道されないだろう。
来年から裁判員制度が実施されるけど、このようなケースの殺人事件も対象になるんだろうか。前にも書いたが、日本人はなかなか自己主張をしないし、人の意見に左右されやすい。身なりのしっかりした人の意見に盲目的に従ってしまう事がよくある。裁判でちゃんとしたジャッジができるんだろうか。スポーツの審判程度ではないだろうから、大変だ。でも、一度は裁判員をやってみたい物だ。

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楡 周平

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» 陪審法廷⇔楡周平 [らぶほん−本に埋もれて]
陪審法廷 2001年、アメリカ・フロリダ州。 養父にレイプされ続けた少女を救うため、殺人を犯した日本人少年。 罪状は第一級殺人。 繰り広げられる、検察と弁護人の「正義なきディベード」。 減刑なしの終身刑か、完全無罪か? 少年の未来を決めるのは、12....... [続きを読む]

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