ラスト ワン マイル
楡 周平著『ラスト ワン マイル』読了
現代のビジネス書としても十分通用する一冊。
運輸業界に勤める主人公が大手取引先からの値引き交渉や郵政の参入で窮地に立たされるところをテレビ局と組んで新たにショッピングモールを立ち上げ、ものの輸送というもっとも泥臭い仕事をご用聞きから自ら仕事を生み出す様に替えていくといったあらすじ。途中楽天もどきのテレビ局の買収の話とか出てきて、まさに現在の日本で起きていることを解説してくれている。これを読めば、IT企業が行ったテレビ局の買収とかのからくりもわかる。
著者はほかにも運輸系の小説を書いているが、その方面での知識はすごいし、あらたなビジネスモデルをこの小説の中で展開している。どこかの大手運送会社がこのようなことを大々的にやらないのか。まあ、小説ほどうまくいかないとは思うけど。
小説の中に出てくる自分たちの本業を生かすために異業種に挑戦して本業をさらに発展させるという手は非常に効率が良いように思える。いきなり異業種に入っていくのは厳しいだろうが、それを本業のための撒き餌のようにするという手法は非常におもしろい。
楡さん、もっとこういった小説を書いてください。
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