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ダーク・レディ

リチャード・ノース パタースン著『ダーク・レディ』読了
このミス上位にランクインされていたので、この作家の小説は初めてだったが読んだ。
アメリカの仮想の都市スティールトンを舞台とした汚職とマフィア、薬物汚染と市長選、いろいろ盛りだくさんの中、主人公の女性検事の周辺で起きた2件の殺人事件を追う展開でおもしろかったといえばそうなんだけど、全体に暗いトーンで書かれているので、途中までは読むのに時間がかかった。
市長選とそれに関連する選挙運動でおもしろかったのは検事が対立候補としてでているのだけれど、アメリカは仕事を辞めなくても立候補できるんだ。そういったところは合理的なんだよね。アメリカって。また、全体のトーンを暗くしているのはスティールトンという街が昔はその名の通り鉄鋼で栄えたが今では衰退してしまって、麻薬とマフィアが暗躍する街になってしまっている。街の再生を図るために大リーグの球場を作ろうとして、そこに汚職とマネーロンダリングが生まれるといったアメリカではよくあることなのかこういった事情が非常に暗さを醸し出している。平和ぼけした日本人ではこういったところの裏道なんかはとても歩けないだろうね。
ミステリーとしては全体的に良くできている。この作家のほかの小説を読んでみようと思った。

ダーク・レディ〈上〉ダーク・レディ〈上〉
リチャード・ノース パタースン Richard North Patterson 東江 一紀

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