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ボトルネック

米澤 穂信著『ボトルネック』読了
『犬はどこだ』つながりで読んだ。いちおうこのミスにランクインしているみたいだけど、これってミステリーなの。たしかに殺人事件らしきものはあるけど。
主人公が東尋坊で転落したら、パラレルワールドで違う世界に迷い込んでしまい、そこでは姉が生きていて、そちらの世界は非常に調和が取れていて、おまけに姉が主人公の世界で起きた恋人が死んだ事故を事件と断定するなど、ミステリーっぽいところはある。だけど、著者はなにを主題にしたかったのか。パラレルワールドなのか。主人公と違う世界の差の原因についてなのか。最後までよくわからない。結局主人公は元の世界に戻るのだけど、いたたまれないだろうね。こんな体験したら、死にたくなっちゃうよ。ものすごい自己嫌悪に陥るだろうし。
やっぱり著者が何を書きたかったのかよくわからない。

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米澤 穂信

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フライトプラン

『フライトプラン』読了
映画の原作だが、結構おもしろかった。
亡くなった夫の棺とともに、ドイツからニューヨークに向かう飛行機の中で6歳の娘が行方不明になり、一時娘が一緒に乗ったのは幻想だったという展開もあり、最終的には別の”フライトプラン”が計画されていたという物語だ。
映画の原作だけあって、話は簡単で2時間もあれば読めてしまう。映画ではジョディ・フォスターがお母さん役をやっているのだが、気の強い女の役にはぴったりかも。
レンタルして映画を見たくなった。飛行機マニアの人には飛行機の通常は入ることが出来ない内部がいろいろ出てくるので興味深いと思う。ただ、最後の結末はちょっといただけないかも。がっかりというわけでもないが。

フライトプランフライトプラン
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ジョディ・フォスター ロベルト・シュヴェンケ ショーン・ビーン

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ダーク・レディ

リチャード・ノース パタースン著『ダーク・レディ』読了
このミス上位にランクインされていたので、この作家の小説は初めてだったが読んだ。
アメリカの仮想の都市スティールトンを舞台とした汚職とマフィア、薬物汚染と市長選、いろいろ盛りだくさんの中、主人公の女性検事の周辺で起きた2件の殺人事件を追う展開でおもしろかったといえばそうなんだけど、全体に暗いトーンで書かれているので、途中までは読むのに時間がかかった。
市長選とそれに関連する選挙運動でおもしろかったのは検事が対立候補としてでているのだけれど、アメリカは仕事を辞めなくても立候補できるんだ。そういったところは合理的なんだよね。アメリカって。また、全体のトーンを暗くしているのはスティールトンという街が昔はその名の通り鉄鋼で栄えたが今では衰退してしまって、麻薬とマフィアが暗躍する街になってしまっている。街の再生を図るために大リーグの球場を作ろうとして、そこに汚職とマネーロンダリングが生まれるといったアメリカではよくあることなのかこういった事情が非常に暗さを醸し出している。平和ぼけした日本人ではこういったところの裏道なんかはとても歩けないだろうね。
ミステリーとしては全体的に良くできている。この作家のほかの小説を読んでみようと思った。

ダーク・レディ〈上〉ダーク・レディ〈上〉
リチャード・ノース パタースン Richard North Patterson 東江 一紀

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交渉人

五十嵐 貴久『交渉人』読了
たまたま手に取った本だが、予想を遙かに超えて良かった。
最初はなんのことはないコンビニ強盗が病院に逃げ込んで人質を取り、その交渉と脱出劇だった。案外簡単に犯人が逃げて、おかしいなとおもったらその裏には医療過誤問題があった。これ以上明かすとネタバレになってしまうが、前半の犯人との交渉やそのマニュアル的なものは非常に興味深かった。先日拳銃による人質事件があったばかりなので、よけいにおもしろく読めた。そこから、最後に至る結末もおもしろい。
人質事件の犯人との交渉においては、犯人の言うことを聞くとか、ひたすら聞き役に徹し犯人にしゃべらせるなど心理学的に計算された交渉術があるのだということがわかって参考となった。また、最初から出てくる女性警部がまた良い役所を演じている。人物がいきいきしている。
肩肘張らずに読めるし、参考になることも多い。非常に良いミステリーだと思う。

交渉人交渉人
五十嵐 貴久

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新婚旅行のおみやげ

昔同じ部署でいっしょに働いていたY君が新婚旅行から帰ってきて、おみやげをいただいた。
ソーセージの缶詰とビール。
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ドイツの土産らしい。
特にソーセージの缶詰はむかしグアムに行ったときにスーパーで買ってみたが、調理法がわからずに、缶詰から出してわざわざ炒めた気がする。それで、調理法を探してみたら、まさにこの組み合わせのおみやげをもらった人がいた。(もっとも昨年のドイツW杯のおみやげだが)これって定番なのか。ビールもいっしょってどうなんだろう。まあ、偶然なんだろうけど。
それで、調理法を調べるために缶の表示を見たけど、これドイツ語じゃん。25年前に第二外国語でやったのだが、残念ながら辞書すら見つからない。5分何とかするのはなんとかわかったが。それで、上でみつかったサイトによれば、缶詰のまま80度くらいのお湯で5分温めるとそのまま食べられるということらしい。
何とか食べてみるよ、Y君。ありがとうございました。

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少女には向かない職業

桜庭 一樹著『少女には向かない職業』読了
一気に読んだ。2005年のこのミス20位。
登場人物は女子中学生。ひょんなことから義父に殺意を抱き、友達とへんな共謀をして死に追いやってしまう。その後、その友達に計画殺人を頼まれ、実行するのだが・・・。
淡々と書かれている日常が非常に現実感をかもしだしていて、どこにでもある家族殺人の情景ではないかと思えてくる。不思議と悲しみとか憎しみとかそういったものがでてこない。それだけ淡々と日常が書かれていて、人物もそこらへんにいる中学生ってこんなじゃないかと思えてしまう。
さっと読むのにちょうどいいかも。
ちなみに著者の桜庭一樹さんは第60回推理作家協会賞に選ばれた。別の作品でだけど。

少女には向かない職業少女には向かない職業
桜庭 一樹

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三百年の謎匣

芦辺 拓著『三百年の謎匣』読了
風邪で熱を出して、寝ているときに読んだが、なんとも奇妙なミステリーだ。
もともと短編集だった作品を集めて、その前と後に話をくっつけた感じではあるが、短編自体がそれだけでは完結しておらず、最後のお話を読むと隠された内容がわかるという凝った作りの小説になっている。
ただ、全体にスムーズに読めなかった。外国の登場人物の名前の長さにも辟易としてしまったが、それぞれの短編が消化不良で、最後を読むまで微妙な感覚がぬぐえなかった。これを連載小説で出されたようだが、最初に読んだひとはどうおもったのだろう。
なるべく一気に読むことをおすすめする。

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芦辺 拓

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パパとムスメの7日間

五十嵐 貴久著『パパとムスメの7日間』読了
大元のネタは昔からあるものだ。古くは山中恒著『おれがあいつであいつがおれで』とか、東野圭吾著『秘密』とか、最近では浅倉卓弥『四日間の奇跡』などの人格の入れ替わりが起きる話だ。今回のシチュエーションはおもしろい。父親と17歳の娘の入れ替わりで、サラリーマンと女子高生の相互体験を通じて親子がコミュニケーションを回復するところもおもしろい。
最初はネタがわかってから、使い古されたネタだし、いままでいろいろな人が書いてきたものだから、おもしろくないんじゃないかという先入観で読み続けたが、結構おもしろいしはまってしまった。それで一気に読んでしまえた。1週間ほどで元に戻ったのでよかっただろうけど、これがずっと続いたら、それはそれで困るだろう。ハッピーエンドで安心して読める。なかなかの秀作だと思う。

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五十嵐 貴久

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藤原正彦の人生案内

藤原 正彦著『藤原正彦の人生案内』読了
大ベストセラー『国家の品格』の著者が新聞の人生相談をしたものを編集したものだが、非常におもしろい。
たとえばこんな話。
50代の主婦の相談で、同居している30代の息子が仕事をせずにぶらぶらしている。普段から親から金をもらい、アルバイトでお金が貯まると海外旅行に行ってしまう。病院に連れて行った方がいいかとう相談に対して、その必要はない。ただのグータラな親不孝息子。しかし半分は甘やかして育てた親の責任。と一刀両断にしている。また、高校を中退してしまった息子が大工になりたいと言っているとの相談に、学歴をそろえるために高校、大学と進学するより立派な大工になるよう努力するほうが大事とアドバイスしている。
全体を通して藤原先生の考えがまったくぶれないのがすごい。まるで常にまっすぐ立っているような武士がイメージできる。『七人の侍』に出てくる剣の達人のようだ。
ただ、まるっきし堅い話ばかりではなく、くだけたところもあるのでおもしろく読める。

藤原正彦の人生案内藤原正彦の人生案内
藤原 正彦

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