ひとがた流し
北村 薫著『ひとがた流し』読了
ミステリーでない北村さんの作品。朝日新聞に連載していた質の良い純文学だ。
登場人物は幼い頃から友人だった女性3人で、40を越えている。一人は独身、一人は離婚、一人は再婚と三者三様。子どもも結婚した人にはそれぞれ一人ずついて、この5人の女性と2人の男性の物語だ。最初はアナウンサーである結婚していない女性のどうとでもない日常を描いていくのかと思ったら、途中で女性の病気が発覚し、途中からこれは読了後泣くだろうと思って読んでいったが、予想を裏切らず泣いてしまった。質の良い泣かせる小説だ。
途中に進行に少し強引なところもあるが、概ねスムーズな進行をしており、楽しみながら、そして悲しみながら、味わいながら読んでいける。こういったどこにでもあるような話を盛り上げて高めてうまく持っていく力はさすが北村さんと思ってしまう。
おすすめの1冊に加えたい。
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