第三双生児
ケン フォレット著『第三双生児』読了
フォレットの小説を立て続けに読んでいる。これもブックオフの100円コーナーの定番だが非常におもしろかった。
いわゆるクローン技術を使って同じ遺伝子の人間をつくってしまったバイオテクノロジーの会社を買収させようとたくらむ会社役員および技術顧問の大学教授と全く別の方法で別れ別れとなった双生児を医療データから捜し出して、その人間的特徴と調べようとする大学助手との戦いを1週間のなかで描いている。
書かれたのは結構古いので、この着想はおもしろい。体外受精した受精卵をいくつかに分裂させた後に分割し、不妊治療に来ていた患者に戻して出産させるという考えはけっこういけている。近年クローン技術で羊とかほ乳類までは応用されているが、これが人間に適用されたときにはどうなるのか。本当に双子のようになるのか。おもしろい研究だと思うが、倫理の点では結構厳しいだろう。もしかしたら、ロシアとか中東とかではすでにやっているのかも。遺伝子的には全く同じ遺伝子を持つ人間なのだろうが、育ちがいっしょでないなら、性格は変わってしまうと思う。同じ人間が出来て、その応用範囲はよくわからないが、倫理的なことを考えなければ移植手術で拒絶反応は全く起きないのか。究極の移植医療ができるのかも。あくまでも倫理的なことを無視すればだが。
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