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第三双生児

ケン フォレット著『第三双生児』読了
フォレットの小説を立て続けに読んでいる。これもブックオフの100円コーナーの定番だが非常におもしろかった。
いわゆるクローン技術を使って同じ遺伝子の人間をつくってしまったバイオテクノロジーの会社を買収させようとたくらむ会社役員および技術顧問の大学教授と全く別の方法で別れ別れとなった双生児を医療データから捜し出して、その人間的特徴と調べようとする大学助手との戦いを1週間のなかで描いている。
書かれたのは結構古いので、この着想はおもしろい。体外受精した受精卵をいくつかに分裂させた後に分割し、不妊治療に来ていた患者に戻して出産させるという考えはけっこういけている。近年クローン技術で羊とかほ乳類までは応用されているが、これが人間に適用されたときにはどうなるのか。本当に双子のようになるのか。おもしろい研究だと思うが、倫理の点では結構厳しいだろう。もしかしたら、ロシアとか中東とかではすでにやっているのかも。遺伝子的には全く同じ遺伝子を持つ人間なのだろうが、育ちがいっしょでないなら、性格は変わってしまうと思う。同じ人間が出来て、その応用範囲はよくわからないが、倫理的なことを考えなければ移植手術で拒絶反応は全く起きないのか。究極の移植医療ができるのかも。あくまでも倫理的なことを無視すればだが。

第三双生児〈上〉第三双生児〈上〉
ケン フォレット Ken Follett 佐々田 雅子

新潮社 1997-08
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ジュビロ福西 移籍!

悲しいお知らせが届いてしまった。まだ、自分の中では整理できていない。ジュビロのゲームキャプテン福西がFC東京に完全移籍してしまった。
昨日の新聞報道で慰留交渉をしているとのことだったので、一縷の望みにたくしていた。自分でもなんとか行動できないかとサイトを調べたりしたのだが。
いまはまだ、何も考えられない。今のチームでは福西が一番好きだった。物怖じしないプレースタイル、当たりの強いボディコンタクトなど、日本人離れしたいい選手だった。確かに、チームの方針からいままでのボランチではなく、ひとつ上の位置での仕事を任されたり、後半途中で交代させられたりと本人にとっては不本意だったということか。なんで慰留できなかったのか。年棒だけではないと思うが、お金だったら何とか解決の方法もあったのでは。
いろいろ思うことはあるが、自分自身で整理できない。
今日はヤケ酒になるだろう。

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銃とチョコレート

乙一著『銃とチョコレート』読了
2006年のこのミス5位。講談社のミステリーランドシリーズの1冊。
小学校高学年でも読めるミステリーを目指しているが、確かに読みやすいと言えば読みやすい。おまけにひねってあるのでミステリーとしてもおもしろい。
舞台は外国、時代はそんなにむかしではない。金持ちの宝物を次々と盗んでいる怪盗と、それを追跡する探偵と警部。それと不思議な地図を手に入れた少年。冒険ものとしてはわくわくする展開だ。
ちょっとひねりすぎで子どもたちには難しいとは思うけど、こういった質の良い小説でミステリーおよび小説が好きになってくれたらと思う。

銃とチョコレート銃とチョコレート
乙一

講談社 2006-05-31
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異端の大義

楡 周平著『異端の大義』読了
著者の楡さんはアメリカの会社に在籍中に小説を書き、それがベストセラーになった後、小説家に転身した経歴を持つが、この小説にはその経験が非常に生かされたと思われる。質の良いビジネス小説だ。
総合家電メーカー東洋電器産業のエリート社員が、会社の経営不振からアメリカのR&Dを閉鎖して帰国するところから始まる。そのとき会社はリストラの真っ最中。ほどなくして岩手工場の撤退の責任者として赴任する。日本的同族会社の役員一族の横暴により、家電販売会社の営業部長に飛ばされて、退職するが、世界的な電機メーカーに中途入社し、その後、元の家電メーカーが身売りされることによって、買収されて元の会社に常務として復帰する。簡単にあらすじを書くとこういうことになるのだが。
中味は非常に奥が深い。同期入社の同僚が不倫したことを注意したことにより、地方に飛ばされることになったり、なかなか日本的でかなしくなる。
日本だけではないと思うが、同族会社はみんなどうしようもなくなっている。パロマもサンヨーも不二家も。なかにはしっかり経営されているところもあるが、同族会社は会社を私物化してしまっているところが多い。取締役会があっても機能しない。カリスマの社長の一言で決まってしまい、反論を述べるとスポイルされる。カリスマ社長が非常に優秀で間違いをしなければ大丈夫なんだけど、そんなにうまくいくわけがない。だれしも成功した後には会社を自分の息子に譲りたいと思うだろう。子どもがかわいいから苦労をさせたくない気持ちもよくわかる。だが、会社は個人の持ち物ではない。まあ、そうはいっても社長は振り返らないからそんなことはわからないだろうし、他人の言うことなんか聞かないだろう。同族会社は破綻するまでわからないということだろう。どこかの同族会社もどきもどうしようもないものだ。

異端の大義 (上)異端の大義 (上)
楡 周平

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異端の大義 (下)異端の大義 (下)
楡 周平

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真夏の島に咲く花は

垣根 涼介著『真夏の島に咲く花は』読了
垣根さんの小説だがいままでのシリーズとはちょっと異なりフィジーを舞台にどちらかというと青春ものを書いた。
フィジーに住むフィジー人と日本人の男とインド人と日本人の女の4人の微妙な恋愛感情を描いているが、フィジーという土地柄だろうか、どうもダルダルになっている。その雰囲気はうまく出しているが、なんせフィジーなんか行ったことないので、これが真実なのかどうかは行ってみなければわからない。ちょうどクーデターを物語に入れているが、こういったことが実際あったのだろうか。
観光と砂糖製造がフィジーの主な産業らしいが、クーデターや政情不安があると観光客も行かないだろう。旅行で南国の島に行く人はゆったりしたいだけだろうし。一度は行ってみたいけど、死ぬまでに行けるかどうか。
フィジーの人の感じや雰囲気は良く出ていると思うのだけど、この小説で著者が言いたかったものはなんなのか最後までわからなかった。

真夏の島に咲く花は真夏の島に咲く花は
垣根 涼介

講談社 2006-10-13
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シリウスの道

藤原 伊織著『シリウスの道』読了
昨年のこのミスにランキングされていたはず。確かにおもしろい。
主人公は広告代理店の副部長で仕事は出来るが非主流派。上司は年下の女性。離婚間近。この部署に新たに新規案件の提案依頼が来て、会社の様々なメンバーをあつめてプロジェクトチームを組み提案に当たる。そんな中、中途入社した若者に仕事をおしえるところとか派遣社員にオンライン証券取引を逆に教わるなど仕事の臨場感がある。この状況下で主人公の子どもの頃の女友達とその夫が恐喝騒ぎに巻き込まれ、その対処とか非常におもしろい。ミステリーではあるが、舞台が広告代理業の仕事のやり方の点でも非常に参考となる。就職活動やビジネス書としても参考になるのではないか。
この小説は雑誌に連載されていたものであるが、ちょっと展開に違和感があるところもあるが概ねスムーズに読めるし、文句なくわくわくしておもしろい。

シリウスの道〈上〉シリウスの道〈上〉
藤原 伊織

文藝春秋 2006-12
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シリウスの道〈下〉シリウスの道〈下〉
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ねじの回転―FEBRUARY MOMENT

恩田 陸著『ねじの回転―FEBRUARY MOMENT』読了
年末年始第二弾読了。恩田さんの歴史&SFもの。ちょっと難しいかな。
2.26事件をベースに歴史変更を行おうとする未来の人間たちの行動と実際の当時のクーデター実行者との動きを描いている。ベースの時間遡行や時間再生というところに読んでいてうまく乗れるかどうかがこの小説をおもしろいと思うかどうか。ちょっと取っつきにくいが最初のところを我慢して読んでいるとなんとか流れに乗ってくる。あと、ぜひ2.26事件の歴史的事実は押さえておいた方がおもしろう。もし、あの2.26事件でもっと多くの人が暗殺されたらどうなったか考えるのもいいかもしれない。結局2.26事件以降、軍部の行動に抑えが効かなくなり、軍の力が強くなってしまったのは歴史の流れからしかたがなかったかもしれない。このクーデターがもし成功していたら、もしかしたら戦争はなかったかもしれないし、もっと早く戦争になったかもしれない。もしかしたら、本土決戦までやってしまい、日本という国はなくなっていたかもしれない。
あまりそういったことは深く考えず、気楽に読んだ方がいい。

ねじの回転―FEBRUARY MOMENTねじの回転―FEBRUARY MOMENT
恩田 陸

集英社 2002-12
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昭和史 1926-1945

半藤 一利著『昭和史 1926-1945』読了
年末年始の休みを利用して、やっと読了。昔、いっしょに働いていた髙橋さんに薦められたがそのときは時間がなくて読めなかったが、もっと前に読んでおけば良かった。
昭和初期から太平洋戦争終戦までを講義形式で話をしたものをまとめたものだが、史実や日記、記録等をベースとして語られているのでほぼ間違いがなく、あまり主観が入っていないので冷静に歴史をおさらいできる非常に良い歴史物だ。今を生きる日本人すべてに読んで欲しいし、中学くらいにこれを教科書として近代史を教えたらいいのではないか。
読んでいてつくづく日本人のだめさがわかってくる。この時期の日本人だけでなく、今の日本人も同じだ。ウチの会社に当てはめたって同じじゃないかと思えてくる。国民全体が簡単に扇動されるし、肝心なところでは無関心になってくる。マスコミには簡単に乗せられてしまう。結局太平洋戦争はやらなければならない状況に追い込まれてしまって、どうしようもない状況だったことがわかる。戦争反対派がけっこういたこともわかった。たとえば山本五十六連合艦隊司令長官も戦争反対派でなんとか戦争を回避しようとしていたが、なかなか難しく、開戦に当たって真珠湾攻撃で先制したあとで講和の道を探ろうとしていたようだ。
戦争に至る流れを見てくると、結局政治の影響が大きいこともわかる。不況とか不作とかが続き、国民の生活が苦しくなって、それに対してなかなかいい手を打つことが出来ず、結局その不満が軍部を動かし、戦争に至ってしまった。(こんなに簡単ではないが。)そう考えると今の世の中はどうなんだろう。こんなに国の借金を積み上げて、景気が良いと言われているがリストラなどで無職のひとやニートの人が増えてしまって国民生活は決して良いとは言えない。こんななかで自民党は改憲しようとしている。それより国民のためにやることは山積みなのではないだろうか。いっそのこと国会議員はすべて辞職して坊主にでもなったらどうか。だんだん戦争に向かってしまった道と同じものを歩んでいってしまっている様な気がする。
そうならないためにも、この本を読んだ方が良い。歴史から学ぶと言うことはそういうことだろう。

昭和史 1926-1945昭和史 1926-1945
半藤 一利

平凡社 2004-02-11
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聖なる水の祀りと古代王権・天白磐座遺跡

辰巳 和弘著『聖なる水の祀りと古代王権・天白磐座遺跡』の紹介です。
著者は現在は同志社大学の教授ですが、高校の時の恩師であり、仲人もやってもらった方だ。高校の時の部活動で古墳の発掘とかやっていた関係で大学時代に発掘とかのバイトをやっていたころのことを含めて先生の旧引佐町での活動をまとめたものである。表題となっている天白磐座遺跡の発掘には関係していないがその前の北岡大塚古墳(めずらしい前方後方墳)の測量発見には直接関わっている。(実際に本書の中で名前も出していただいている。)そのころは若かったので、測量していた結果がどういうことかもよくわからなかったが、未盗掘の前方後方墳を発見できるのはなかなかないことだ。これが近畿地方の古墳だったらすごいことなんだろうけど、まあ地方のしかも田舎なので大して注目もされないが、個人的にはすごい経験だ。
子どもたちに見せたら、すごいと驚いてくれた。
静岡県西部の方、特に旧引佐町、細江町の方々はこんな歴史的遺物を持っていると言うことを誇りに思って良いと思う。一度読んでみると良いと思う。

聖なる水の祀りと古代王権・天白磐座遺跡聖なる水の祀りと古代王権・天白磐座遺跡
辰巳 和弘

新泉社 2006-12
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