昭和史 1926-1945
半藤 一利著『昭和史 1926-1945』読了
年末年始の休みを利用して、やっと読了。昔、いっしょに働いていた髙橋さんに薦められたがそのときは時間がなくて読めなかったが、もっと前に読んでおけば良かった。
昭和初期から太平洋戦争終戦までを講義形式で話をしたものをまとめたものだが、史実や日記、記録等をベースとして語られているのでほぼ間違いがなく、あまり主観が入っていないので冷静に歴史をおさらいできる非常に良い歴史物だ。今を生きる日本人すべてに読んで欲しいし、中学くらいにこれを教科書として近代史を教えたらいいのではないか。
読んでいてつくづく日本人のだめさがわかってくる。この時期の日本人だけでなく、今の日本人も同じだ。ウチの会社に当てはめたって同じじゃないかと思えてくる。国民全体が簡単に扇動されるし、肝心なところでは無関心になってくる。マスコミには簡単に乗せられてしまう。結局太平洋戦争はやらなければならない状況に追い込まれてしまって、どうしようもない状況だったことがわかる。戦争反対派がけっこういたこともわかった。たとえば山本五十六連合艦隊司令長官も戦争反対派でなんとか戦争を回避しようとしていたが、なかなか難しく、開戦に当たって真珠湾攻撃で先制したあとで講和の道を探ろうとしていたようだ。
戦争に至る流れを見てくると、結局政治の影響が大きいこともわかる。不況とか不作とかが続き、国民の生活が苦しくなって、それに対してなかなかいい手を打つことが出来ず、結局その不満が軍部を動かし、戦争に至ってしまった。(こんなに簡単ではないが。)そう考えると今の世の中はどうなんだろう。こんなに国の借金を積み上げて、景気が良いと言われているがリストラなどで無職のひとやニートの人が増えてしまって国民生活は決して良いとは言えない。こんななかで自民党は改憲しようとしている。それより国民のためにやることは山積みなのではないだろうか。いっそのこと国会議員はすべて辞職して坊主にでもなったらどうか。だんだん戦争に向かってしまった道と同じものを歩んでいってしまっている様な気がする。
そうならないためにも、この本を読んだ方が良い。歴史から学ぶと言うことはそういうことだろう。
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