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箸墓幻想

内田 康夫著『箸墓幻想』読了
古本屋で手にとって、暇があったら読もうと思っていた一冊。一気に読めたが私としてはおもしろくなかった。一般の読者受けはするのだと思うけど。
箸墓古墳は最古の前方後円墳らしく、一説には卑弥呼の墓と呼ばれている。(このサイトの説明が参考になると思います。)陵墓参考地であるため、発掘はもとより、立ち入りも制限されている場所である。この古墳が卑弥呼の時代のものであるかをミステリーのもととして、その近くで発掘が行われたホケノ山古墳で出た画文帯神獣鏡が実は箸墓を盗掘して出て来たもので、それを埋め戻して発掘したようにみせたとか書いてあるが、ちょっと現実的でない。そもそも陵墓参考地である箸墓を太平洋戦争前とはいえ盗掘出来るのかという点。古墳でそんなことやっていたら、すぐにみつかっちゃうよ。また、画文帯神獣鏡を埋め戻して発掘してそれがわからない点。以前に石器時代の発掘で『神の手』事件があったけど、発掘はそんな簡単なものではない。かくいう私も高校生から大学生に掛けて古墳の発掘のアルバイトみたいなことをやっていたけど、まず重要なものが出てきたときには掘り出す前にはきちんと図面に起こすし、埋め戻したりすると周りの土の色が違うのではっきりわかる。まあ、ミステリーだからね。
これを読んで、そのあと箸墓とかホケノ山古墳とかを検索したら、でてくるはでてくるは。邪馬台国の位置問題で奈良と九州で大論争というかネガティブキャンペーンやってる。まあ、大元はしっかり書いてくれなかった『魏志倭人伝』が悪いのだけど、中国のとっては東のちっぽけな国のことなんかしっかり書いてもくれないということ。それはいまの同じで中華思想の元、中国は一番だと思っている。まあ、アメリカだってそう思っているから大国はみんな同じか。
話がそれちゃったけど、このミステリーは浅見光彦シリーズのなかではおもしろいほうなんじゃないかな。ちょっと色恋沙汰も含まれているし。まあ、おすすめかな。古墳時代初期のおよび箸墓あたりの知識を得るにはちょうどいいミステリーだと思う。

箸墓幻想箸墓幻想
内田 康夫

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