稀覯人の不思議
二階堂 黎人著『稀覯人の不思議』読了
”稀覯人”とかいてコレクターと読ませるのであるが、そもそも”稀覯”(きこう)が読めない漢字だよね。稀覯本とか稀覯書とかがあって古書のうち、数が少ないもの珍しいものを指すらしい。インターネットで調べると大学とか図書館に所蔵されている結構古い書物が多いのだが、このミステリーでは手塚治虫の漫画本がテーマになる。
漫画本であっても手塚治虫の初期の作品であれば、残っている数も少ないので、コレクターが多いのだろう。このコレクターが殺されて、捜査が進むにつれてこの稀覯本が動機だということがわかってくる。もっとも大元となっている稀覯本はこの世に存在しないものだが。
非常に読みやすいミステリーなので、おすすめできる。手塚漫画の初期作品に関するうんちくも気にならなければおもしろいだろう。秋の夜長にはこういう落ち着いて読めるミステリーが似合う。
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