誘拐の果実
真保 裕一著「誘拐の果実」読了
著者の本は「ホワイトアウト」以来。2年前くらいのこのミスで著者が特集されていたので、いつか読もうと思っていた1冊。「ホワイトアウト」も織田裕二、松嶋菜々子で映画化されたが、もともと映像化を意識していたかのように非常にテンポもよく、場面構造も出来ていた小説だったが、「誘拐の果実」も映像化が想定できる非常に面白いミステリーだ。
導入部の幼児誘拐とその後の二つの誘拐がそれぞれ絡み合って、最終的に人質も死なずに結果として身代金をせしめる。うまいこと条件を組み合わせて結果が生まれるのだが、決して無理して組み合わさった感じがしない。(実際にはけっこう無理があるのだが、そう思わせないところが筆者の文章力だろう。)最後の章でいわばハッピーエンドになるので、読後感もすっきりしている。はっきり言ってすばらしいミステリーだ。
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