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揺籃の星

J.P.ホーガン著「揺籃の星」読了
ひさしぶりにホーガンの新作を読む。ハードSFだ。ホーガンの作品はデビュー作「星を継ぐもの」から順に、ほとんどすべてを読んでいる。デビュー作を読んだのが大学の時なので、もう、20年以上前だ。本を読んでいてぞくぞくするような感動を覚えた気がする。そのシリーズも出るたびに読んだ。ちなみに数年前にまとめて読み直したが、いつ読んでもいいものはいい。もはや古典といってもいいだろう。
「揺籃の星」は前半はハードSFなのだが、後半はハードボイルドというかパニック小説というか、ちょっとはずれてしまって残念な内容だ。あとがきにもあるが、この小説はイマニュエル・ヴェリコフスキーの「衝突する宇宙」がすべて正しかったとするところからはじまる。その昔、木星から放出されたいん石が、地球に接近し、最終的に金星になったという仮説(正しくないのだが)をベースに、もう一度木星からいん石というか惑星クラスの物体が放出され、それが地球にむかってきて、後半はその衝突直前で宇宙へ脱出するところが延々続く。前半で結構SFネタが出てくるのだが、いずれも途中で尻切れになってちょっと残念。たとえば、太古の恐竜は地球の重力のもとではその体重を支えられないので生存できない、つまり、地球の重力になんらかの変化があったはずで、実は地球は土星の衛星だったものが遙か昔に土星を飛び出して、現在の位置に来たとか。まあ、SFだからこのくらいはいいだろう。あとはそれがあたかもそれらしく肉付けされればいいので。
これをスタートに3部作がすでに書かれていて、翻訳待ちらしい。ホーガンなので大はずれはないと思うので、気長に待つことにする。

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